FABOOL Laser Mini(3.5W版)の下敷きを作ってみた
以前購入したFABOOL Laser Mini(3.5W版)が組み立て後早速加工ズレや動作不良を発生し、様々な記事を参考に微調整を続けた結果ようやくまともに動くようになったので底面保護用の下敷きを作ってみようと思います。
注)当記事にて取り扱う加工機は2016年10月に購入したFABOOL Laser Mini 3.5W版となっており、それ以前に購入された方やそれ以降での購入の方、また1.6W版を購入された方では部品構成が異なる場合があります。当記事を参考に床面保護板を製作される方は文章や画像等を最後まで目を通して頂き、手持ちの部品をよく見比べて頂いた上での製作をお願いします。
レーザー加工機の加工方法は基本的に2つあり、レーザーの短照射により表面の一部のみを切削する彫刻と、素材へのレーザー照射を繰り返し行うことで素材をレーザー軌跡で貫通させる切断があります。
そのうち切断の場合は材料を貫通した後は直接レーザーが底面に当たり下に何も敷かないと床面等を傷付けてしまうので、通常切断加工を行う際は厚みのある木板、もしくは金属板等の保護材を下に敷く必要があります。
しかしレーザー加工機は毎日使うわけでもなくいつもは立てているのですが、加工する度に毎回保護材を引っ張り出すのは面倒だと考え今回保護材を加工機の脚に固定してしまおうという試みをここに記すことにします。
以前まで保護材として1mm厚アルミ板を用いていましたが、レーザー加工に於いて底面の平面度は精度にそこそこ影響するので今回を機に加工精度の向上を目論み、また紙等歪みやすい薄い素材を底面にしっかり固定できるよう磁石にくっつく素材として40cm×30cm、4.5mm厚の鉄板を新たに購入しました。
ネットにて3000円程度で購入できました。(サビの事を考えると少々割高であるがステンレス板で購入した方が良かったかもしれない…がそうそう水に晒すこともないので鉄板でも十分なのかな)
加工エリアに重なるように敷くとこんな感じです(画像をクリックすると拡大して見ることができます。)
真上からの撮影
それなりにぴったりです。
下敷きとなる金属板を加工機の脚に固定するための部品もホームセンター等で適当に揃えます。
このサイズの4.5mm厚鉄板はわりと重いので、念のため強度も考慮します。
適当に用意したもの:
① 直角曲げ金具(長さ200mm、幅25mm、穴径5mm)4個
② L字プレート(長さ80mm×100mm、穴径6mm)4枚
③ 一文字プレート(長さ150mm、穴幅5mm)4枚
その他ネジ類:M5x15ボルト・ナット各24個、M5ワッシャー8枚、M6x10ボルト・ナット各8個
ネジ等の締結に必要な工具:
・10mm(ネジ径M6)まで広がるモンキーレンチ
・8mm(ネジ径M5)、10mmのレンチ
あると便利なもの:
・一発止型定規
※当記事を参考に同様の底面固定具を作成される方でホームセンターにこれらの部品が揃ってない場合は寸法さえ足りれば代替品でも十分間に合いますので、寸法に注意しながらご自身で組み合わせを考えてみてください。(代替品を使用される場合は同時にネジ径・ワッシャーの要不要の確認もお願いします。)
最初に加工機の脚にネジ止めする直角曲げ金具と一文字プレートをM5ボルトにて組み立てます。
この部品にて代替品を使用する場合は、直角曲げ金具端のネジ穴から一文字プレート、同パーツからもう片方の直角曲げ金具端のネジ穴までが加工機の脚の長さに足りるよう部品を選定してください。
また、直角曲げ金具の幅は必ず25mm以下とします。これ以上の幅があると後工程にて400mmの鉄板が入らなくなります。
組み立てるとこのような感じになります
この時点ではボルトは仮締めとして緩めに締めておきます。(片方はレンチで本締めでも良いかもしれないです)
一文字プレートを直角に付けることで両端を水平に近い形で固定させることができ、且つ一文字プレートにより両部品間の距離を容易に変更することができます。
同じ部品をもう1つ作ります。
次にL字プレートをM5ボルトとM5ワッシャーで先程組み立てた部品に組み合わせます。ここでもボルトは仮締め程度に緩く締めておきます。
L字プレートの向きに注意しながら組み立てます。この時点で画像左側が前工程にて本締めしたボルト側とし、レーザー加工機手前側(コントロール基板側)となります。
同じ部品を左右対称にもう1つ作ります。
L字プレートを組み付けた部品を加工機に取り付けるに辺り、加工機本体の組立時に予め取り付けてあったFoot Switchがネジ穴を塞いでいる為一旦外した後に結束バンド等で適当な位置に固定し、この際に一緒にスイッチも押した状態にしておきます。
また作業性向上の為、レーザーモジュールを一時的に外しておきます。
最初に本体アルミプレート接地側ネジ穴にM5ボルトを組み付けますが、当ネジ穴は購入時からM5タップ加工がなされているのでM5ボルトはナット無しでそのまま組み付ける事ができます。
四辺にボルトを取り付けた後、先程組み立てた部品のL字プレートが上になるように取り付け、ナットを締めます。この時に仮締めだった一文字プレートのもう片方を本締めします。
底から見た図
同じように反対側も取り付けます。
両側取り付け完了後の上から見た図(L字プレートが少々傾いているのはまだ仮締め時点の為。)
横から見た図
以上で鉄板を載せるユニットが完成しました。載せるだけならこのままでも良いのですが、私は本体に固定までしたいのでここから鉄板の穴あけ加工を行います。
開ける穴は今回使用したL字プレートに準じて寸法を定義します。
L字プレートの長辺には横長の穴が2つ空いており、まず端から中心までの距離が11mm程度だったので1個目ネジ穴の短辺側余白は切りの良い数字で10mmとし、長辺側余白も10mmとします。(ここらへんの数値に根拠は特になかったりする)
2個目のネジ穴はL字プレートの穴間隔と同じ50mm開けて定義します。
穴径についてはL字プレートの穴径と同じ6mmを採用します。
寸法が決まったところで適当に図面を起こし、鉄板に下書きします。
(このアルミニウムの一発止型定規、角を合わせて正確に下書きを書く時に物凄く便利です)
下書きを書いたら径6mmの鉄工用ドリルで穴を開けます。
金属に穴を開ける時は鋭い切粉が散るので必ず保護メガネや巻き込みの恐れが少ないゴム手袋等の保護具を十分に着用の上作業しましょう。(ドリルを持っていない方はホームセンターにドリルやボール盤等の加工機材を貸してもらえる所が時々あるので、それを利用するのも良いです)
8個全ての穴を開け終わり、バリ取りを併せた面取りも完了した鉄板。
(手持ちドリルで鉄板に穴を開けるのは物凄く疲れた……orz)
この鉄板を先程本体に組み付けたユニットとM6ボルト・ナットで結合させます。L字プレートの穴は縦長なので、多少鉄板の穴あけに誤差が生じても組み付けられるようになってます。
最初に下4つの穴を締めます。なるべく鉄板のフチとL字フレームのフチが並行になるよう調整しながら締め付けを行います。またこの時点では本体フレーム直下のボルトはまだ緩んだままです。
次に上4つの穴を締めます。
8つ全て締め終わったら、鉄板がなるべく奥側になるよう配置しつつ、鉄板の各辺が本体フレームと平行になるように傾きを調整します。その後L字フレームの仮締め状態であったナットを本締めします。
最後に、取り外していたレーザーモジュールを再度取り付けて完成です。
鉄板を取り付けたことにより加工エリアが底上げされましたが、一応レーザーモジュールとの距離は最大23mmまで開けることができるので基本的な加工には問題はないかと思われます。
以上にて底面保護板を加工機本体に固定することができました。
今回は鉄板を用いたので重量がある代わりにモーター動作時の安定性も見込めるかもしれません。(強度を特に重要視しない場合、磁石を用いない場合はアルミニウムでも良いと思います。)
また鉄板を固定したことにより原点や座標等を鉄板に書き込めば位置合わせの簡素化も見込むことができます。
またご質問等ございましたらコメントにてお受け致します。
追記:2016年12月中旬辺りにsmartDIY公式ショップにて加工ベッドが5300円(+送料)で販売開始されていたのでここまでやるのが面倒な人はそっちを購入されたほうが良いかもしれませんね…w
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